20/2/14 成長

「成長」…育って、大きくなること。一人前に成熟すること。大人になること。

 

 この言葉は就職活動中によく聞く言葉だが、使う人間・企業によって持つ意味は千差万別である。この汎用的な単語に対して自分なりの定義ができていることは他者との差別化を行う上で大切であるため、今回は「成長」について私自身の定義をしたい。

 まず大企業では成長できずにベンチャー企業では成長できるという意見に対して私はそうは思わない。この意見を根拠づけるのは、ベンチャー企業には裁量権が大きく与えられ、かつスピード感も求められるため、決断する機会が大手よりも恵まれているからという論理である。この論理は確かに成長が「未開拓の領域に対して、挑戦して結果を出せるという点で大きくなること」という意味なら正しい。しかし成長とはそのような意味しか持たない単語だろうか。私はすでに開拓されている領域を、掘り下げて他者と差別化できる結果を出せるということも大きな「成長」であると考える。

 もちろん両者は比べてどちらがいいというものではないし、両方なければ人間社会は発展しないと言えるだろう。前者の「成長」が新たな領域を発掘しなければ、後者の「成長」でその領域を追及することはできない。しかし私は後者の「成長」に関与したいと思う。前者の「成長」は未知の世界に飛び込める勇気やパワー、想像力が特に重視されるのに対して、後者の「成長」は専門的な知識とそれを踏まえた実験によって積み上げてきた領域をさらに一歩進める思考力を必要とする。言い換えると前者が0から1を作る創造性豊かな仕事であるのに対して、後者は1を10にする論理的なものと言い換えることもできる。

 このように見ていると、私はやはり世界が偶然であるということを認めたくない人間であり、その誘惑に負けている自分を叩き起こしてくれるローティに敬意を表しているのだろう。想像力の素晴らしさを頭で理解しながらもやはり、論理が成し遂げてきた功績に私は頼りたいと思う。話は逸れたが、結論は「成長」を他の人がすでに開拓した領域をさらにもう一歩進める専門的なものに定義して今後の就職活動は進めていく。