20/3/10 血圧
導入:85歳を超える人々の高血圧が死亡率を減少させることに関係があるかもしれない。
本論1:2017年に高血圧の定義が変わった。以前は65歳以下の人は閾値が140/90(mm Hg)であり、65歳以上の人が150/80(mm Hg)であったのだが、この定義が本当にお年寄りの方にとって役立つものなのだろうか?
本論2:虚弱ではないお年寄りの方の収縮期血圧が150-159mm Hgの人と130-139mm Hgの人を比べると、前者の方が6%死亡率が低いという研究結果が出た。特に6段階から7段階のフレイル状態にある高血圧の高齢者は16%も死亡率が低くなるという結果が出た。この研究結果により85歳以上、もしくは75-84歳の6段階、7段階のフレイルである人たちの高血圧は死亡率を上げるのに関連しないという結論が出せる。おそらく共存している病的不全の複雑性が原因となっている。
結論:病弱で、お年寄の高血圧を減少させるという観点の優先度の評価は見直される必要がありそうだ。高血圧で悩み薬を投与している高齢者の方にとって、薬を使う必要がなくなるということは大きな医学の進展である。今後の研究に注目したい。
mortality:死亡率
frailty:虚弱
moderate frailty /severe frailty:虚弱さのレベルを表す指標の一つ。1~9まで段階があり、moderate frailtyは6段階の中等度のフレイル、severe frailtyは重度のフレイルに分類される
threshold:閾値
systolic blood pressure:収縮期血圧
hypertension:高血圧
coexisiting:共存する
morbidity:病的不全、不健全